Inspirational Mind

2003.10.11 - 2011.04.11

現代日本の問題集

現代日本の問題集 (講談社現代新書)

現代日本の問題集 (講談社現代新書)

年金、犯罪増加、拉致問題、雇用不安、イラク派兵。。。
新聞やニュースで取り上げられているたくさんの問題について、それぞれ漠然とは理解しているものの、
その本質がどこにあるかをわかっている人、またそれを考えようとしている人は少ないのではないだろうか。
ちなみに俺は「考えたいけど考えていない人」。

正直な話、普段の生活の中で、これらの諸問題を深く掘り下げて考えている余裕なんてなかったし、その時間をつくろうともしていなかった。

現代日本の問題集(著:日垣隆)」は、この考えている余裕がなかった問題たちを徹底的に掘り下げて教えてくれる本だ。amazonで著者が≪我が家の高校生にもよくわかるように書きました≫と書いているように、納得いくまで教えてもらっているような気分になる。

著者の本はこれまでにも何冊か読んでいて、自分の中の矛盾を一切許さない徹底的な調査と取材を貫く姿勢には圧倒され、尊敬している。この本に関してもその深さは変わらず、とても現実的で、一般人に身近なレベルまで落とし込んで書かれているように感じるため、それぞれの問題を実感しながら読むことができた。

この本を読んでいて強く感じたことがあって、「一人の人間として生きる力をつける」こと。
国や組織にただ頼っていく生き方では、苦しい道しかないのではないかと思える。毎日、組織の文句を言い、国の文句を言い、他人の文句を言う。そんなつまらないことになったりしてしまう。

こっからは自分の話。他人のことではない。
文句をいうのは、自分の自信がないからだ。自信がないから、一人で生きていく自信がないから組織なり、国なりに依存しようとする。弱い。弱いのはしょうがない。そっからどう強くなっていくか。
自力でひとつずつ解決していかないと、何も好転しない。

この本の第六章は「フリーエージェント社会へ」。ここで、≪会社での同僚・上司や主たる取引先というような強い絆ではなく、否むしろ、そうでないからこそ自分の狭い殻を打ち破ってくれる発想や情報に出合える、そのような繋がりです。「いざ」というときに最優先で終結する、という一点のみが≪弱い絆の力≫の掟なのですね。≫と書かれている。疎結合だ。疎結合

好きなときに好きなやつ集めて、好きなことやったほうがすげ-力が出るんだよ、といっているように思える。自分の好きなことをしっかりやって、自由に生きて、ちゃんと力をつけて、金を稼げるようにしておく。そうすれば自分ひとりでも生きられるし、≪弱い絆の力≫の一翼にもちゃんとなれるのではないか。

フリーで働くことには覚悟がいる。でも、組織内で仕事をするにしても覚悟を求められるものだし、必要なことだと思う。さして変わらない。なんでもいい、どんな形でもいいから好きなことやって、力をつけろってことだという結論に、俺はいま達している。

ということを考えたたりした本です。おすすめ。