Inspirational Mind

2003.10.11 - 2011.04.11

プロフェッショナル原論

プロフェッショナル原論 (ちくま新書)

プロフェッショナル原論 (ちくま新書)

プロフェッショナルの定義やポリシー等を解説した本。
「プロ」と「プロフェッショナル」も違うらしい。
組織に属しておらず、組織への貢献を最重要視しないあたりが、
その根本にあるようだ。


既に認知されているプロフェッショナルとして、弁護士、公認会計士、医者、一級建築士など、
国によって認知されているものを対象とし、経営コンサルタントなどは
プロフェッショナルではあるが、その認知度からまだまだこれからの職だと書いている。
著者は経営コンサルタントである。


組織に属している以上、その利益は重要であり、企業として顧客第一を謳っていても、
実際の現場において、顧客の利益だけを考えて行動することはできない。
どんな状況であれ、常に何かしらの制限や壁になる存在や、自分のポリシーを貫き通すことは
難しいわけだが、その壁を取り払い、自分の意思による行動や決定ができるあたりが、
プロフェッショナルの特権であり、同時にリスクであり、厳しさなのだと書かれている。


個人依存の職種であり、実際に現場で働き続けている経営コンサルタントの著者であるため、
その考えには多少偏りがあり、そうではない(組織に属している)自分としては違和感を感じるところ、
「それでいいのか」と突っ込みたくなるところがあるものの、一貫性を持って書かれているように
思えるので、好感が持てる。甘えた記述も一切ない。


フリーで活躍可能な、プロフェッショナルとして活動できそうな職種すべてに当てはまるわけではないとは思うが、
起業ではない独立モデルを考えている人は、読んでもいいのではないかと思う。