Inspirational Mind

2003.10.11 - 2011.04.11

Web2.0と新しい基幹産業

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

会社の上司に進められてウェブ進化論梅田望夫著)を読んだ。Web2.0と言うキーワードは
以前から聞いていたが、特に目新しい話だとは思えずにいたので、特に注意を払っていは
いなかったのだが、この本を読んでその考えが間違っていたことを知った。


キーワードだけ抜き出してWeb2.0を考えてみると、インターネットが基盤として定着した
現代におけるビジネス形態の変化の総称であって、技術論にしろマーケティング理論にしろ
驚きは感じない。しかし、その中心に位置づけられているグーグルという企業の力と、
その戦略に対しては漠然とした恐怖を感じた。


グーグルのサービス提供基盤に関して、梅田氏が「情報発電所」と表現したの見事だと思う。
というのは、「増殖する地球上の膨大な情報をすべて整理し尽くす」という目的の元、
世界中の優れた技術者が終結して「検索」に関する技術を中心にした基盤の全てを
提供しようとしている。今まで意識したことはなかったが、グーグルは電気、ガス、
水道、通信網などと同様の新しい基盤を構築しようとしている。そして、それが
既存産業のような国家規模ではなく、世界規模でそれを実現しようとしていることに驚嘆した。
そのことに気づかせてくれただけで、ウェブ進化論を読んだ価値はあったと思う。


グーグルの取り組みはとても魅力的で、その先に見える世界に想いを馳せることは楽しい。
ただ、この漠然とした恐怖心は、変化に対する自分が対応できていないのか、それとも
別の要因によるものなのかははっきりとしていない。

この恐怖心の元になっている要因はもうひとつあるのだが、
とりあえず今日はこの辺で。