Inspirational Mind

2003.10.11 - 2011.04.11

望まれた風景

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長い階段を上りきると、鬱蒼とした木々に囲まれた広場に出る。中央付近には高く伸びた竹が生えており、地面は木のチップで埋められていて、歩くのに心地よい。広場の中央に立って周りを見渡すと人工的な建物が視界に入ることはなく、自分が都会にいることを忘れさせる。はじめて足を踏み入れたときは目を疑った。

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日吉の丘公園は、日吉駅から徒歩十分足らずで、慶応義塾普通部の裏あたりにある小さな公園だ。この地区の雑木林を保存するために作られた公園で、もともと生えていた木々を活かすような作りになっているため、余計なものは一切ない。現在もまだ開発中で、完成後にどのような公園になるのかはまだわからない。

慶応義塾大学の日吉キャンパスがあることで有名な日吉だが、学生街だけあって駅前は賑わっている。数多くの飲食店と娯楽施設と東急デパートの入った駅ビル。この地区の駅としてはかなり発達している方だ。

それだけに、この公園を見たときの感動は大きかった。賑わいを見せる駅前と、人気のほとんどない木々に囲まれた公園。この風景の落差がたまらない魅力だった。おれが日吉にすむことを決めた大きな要因の一つでもある。

公園付近には、雑木林や田畑が数多く残っていて、普通の住宅街とは異なった雰囲気を感じさせる。しかし、そのほとんどが私有地であることから、ここ一年の間さえ風景が変わってきてしまった。既に開発されきった街に住んできたおれにとってははじめての体験で、とても寂しい。

日吉の人々の好きな風景を保存するために日吉の丘公園はつくられた。だが、その風景を楽しめる場所が、この公園だけにならないことを願ってやまない。

追記:
検索をかけてみたら、横浜市の公園のページに載っていた。