Inspirational Mind

2003.10.11 - 2011.04.11

天才

本多孝好は天才だと思う。

いま。「FINE DAY」という小説を読んでいる。4篇のラブストーリーからなる短編集だ。
で、この小説の著者が本多孝好なのだが。。。

この人の本を初めて読んだのは今年の2月くらいだったと思う。
「MISSING」という短編集で、多くの本屋で平積みにされ、さらにべた褒めだったので知っている人もいると思う。

この本はあっという間に読んでしまった記憶がある。物語への引き込み方が絶妙で、最初の2,3ページを読んだだけで、各短編の「ワールド」に引き込まれていた。

その後、というか「MISSING」を読んだ次の日に、長編小説の「ANOTHER TOGHETHER」を買っていた。

で、「FINE DAY」はどうかというと、これもまた面白い。
まだ全部読んだわけではないのだが、最初の1編を読んだだけで、かなり満足している。

この人の書く小説の面白さはなにか、ちょっと考えてみた。

まず、登場人物の立て方がうまい。短編にもかかわらず、とても魅力的な登場人物が多い。過去に俺が読んだ短編の中で、各短編を読み終わったあとに、登場人物との別れを名残惜しいと感じたのは、初めてかもしれない。それくらい魅力がある。

また、文章が美しいのも魅力だと思う。何が美しいのかを説明することはできない。誰か説明できたら代わりにしてほしい。
俺がこの人の本を読んでいて感じたのは、「気持ちのよさ」だ。ありがちな表現だけど、この人が書くような文章のことを「透明感のある文章」というのだと思う。

あとは、オチのつけ方がうまい。どれもこれもただのラブストーリーではなく、ミステリーの要素が含まれている。で、予想のつかない場合が多い。おれは、いまのところ完全に負け越してるね。

これらの要素が絡み合って、短編にもかかわらず、とても印象的な作品に仕上がっているのだと思う。

他人が読んだときに、おれほどはまるかどうかはわからないが、非常に読みやすい小説なので、暇つぶしに読んでも普通に楽しめると思う。

おすすめです。