Inspirational Mind

2003.10.11 - 2011.04.11

最高の感動

ある瞬間、それは明確に頭の中に描き出される。そして発想が爆発的に広がる。鳥肌が立ち、大きな高揚感に包まれる。それから先は、高揚感と嬉しさと期待感に満ちた幸せな時間だった。思いついたアイデアをノートに書きなぐる。忘れてしまわないように、熱い感情が消えないように。

いま現在動いている法人向けパッケージソフトの開発プロジェクトだ。開発部の若手でメンバーは構成され、高い要求と短いスケジュールに苦しめられながら、開発も佳境に入ってきた。そして、そのソフトウェアの根本には自分のアイデアが生きている。

プロジェクトの発端はきわめて単純で、「売れるソフトウェアを作る」ということだけだった。求められるのはそのアイデアのみ。現在の状況、必要な機能、競合に負けない魅力、既存のソフトウェアの強みを生かすこと、それらの全てを満たしていなければ、開発する意味がない。

就業時間中にのんびり考えている時間などないため、考えをまとめる時間は必然的に夜になってしまう。大量に集めた情報と、自分の知識を総動員させて、落ち着いて頭の中で整理していく。そしてひたすら考える。まとまりかけては弾け、またまとまる。その繰り返しだった。行き詰まったら視点を変えてみて、また考える。

考えがまとまった日。午後10時に考え始めて、アイデアが生まれたのが深夜12時くらい。そのあと、延々とノートを書きつづけて、気づいたら朝の5時だった。少し寝ようと思い、次の日の午前中は休んだのだが、会社の人間に伝えることに夢中になってしまい、寝ずに会社に行った。

技術的な壁があり、アイデアの全てが採用されたわけではなかったが、アイデアが生み出された瞬間の感動を味わえただけでも満足だった。

いま、この種の感動を繰り返し味わうために仕事をしている。瞬間の感動と、継続する高揚感。最高だ。